返済の長期化注意!残高スライドリボルビング返済の利息を抑える方法

消費者金融のカードローンなどを利用した際、返済額を決めるには多くの場合、「残高スライドリボルビング返済」という方法が採用されています。

しかしこの返済方法は返済が進むにつれ負担が減る反面、返済が長期化しやすいという特徴もあります。

では、より利息を抑えてお得に返済するためにはどうすれば良いのか?

ここでは、そんな残高スライドリボルビング返済の仕組みとメリット・デメリット、キャッシング利用時のポイントなどをご紹介します!

キャッシングは「残高スライドリボルビング返済」が一般的

カードローンなどのキャッシングを利用した際、支払うべき利息は「利息=借金残高×借入利率÷365日×利用日数」という日割り計算で求められます。

この発生した利息に元々の借入金額である元金を合わせて、毎月の返済額が決まります。

「残高スライドリボルビング返済」は毎月の返済額を決めるための方法であり、ほとんどのキャッシングサービスでこの返済方法が採用されています。

残高スライドリボルビング返済は、「残高スライド方式」と「リボルビング方式」を組み合わせたもので、以下よりそれぞれの方式について詳しく説明してきます。

残りの返済金額で返済額が変化する「残高スライド方式」

「残高スライド方式」は、毎月返済時の借入残高によって返済金額が決まる返済方法です。

元金の返済が進んだり新しい借り入れをして借入残高が変わるごとにそれに合わせて返済金額が変わり、この方式単体で使われることはなく後述の「リボルビング方式」と組み合わせられることが多いです。

また、キャッシングサービスによっては「借入後(借入時)残高スライド返済」を採用していることもあります。

こちらは借り入れ時の金額に応じて返済額を決めるという方法で、新たに借り入れをしない限り返済額が一定になるのが特徴です。

例えば、借り入れをした金額が10万円で毎月の返済額が1万円であれば、元金の返済が進んでも、完済まではずっと返済額が1万円のまま変動しません。

そこで新たに10万円借り入れをして借入残高が20万円になったら、20万円に対しての毎月の返済額が再設定され、以降完済までその金額を返済し続けることとなります。

通常の残高スライド返済と異なり、新たに借り入れをしない限り返済額はずっと固定なので、毎月の返済額がより把握しやすいのが特徴です。

返済額が毎月一定で決まっている「リボルビング方式」

「リボルビング方式」はクレジットカードの「リボ払い」と似たようなもので、ある金額に対して決められた一定金額を返済していく方法です。

例えば、10~30万円の借り入れは毎月の返済額が5,000円と決められていたとすると、10万円借りようが30万円借りようが、決められた金額の範囲内であれば毎月の返済額は5,000円から変わりません。

そのため、利用可能枠内であれば新たに借り入れをしても毎月の返済額は変わることなく、月々の返済額は一定のままであり、毎月の返済金額の把握がしやすいといった特徴があります。

このリボルビング方式の返済額は他の返済方法と組み合わせて、以下の様に決められます。

返済方式 詳細
元利定額リボルビング方式 元金と利息を合わせて一定額を返済する方式。毎月一定額のため返済計画が立てやすいが、始めの内は利息の割合が多くなりなりがちで元金が減りにくい。
元金定額リボルビング方式 元金だけが一定額が固定されており、そこに利息を上乗せする方式。毎月金額が変動するが、元金の返済割合が変わらないため利息を抑えやすい。
元利定率リボルビング方式 借入残高にあらかじめ決められた割合をかけた金額を返済する方式。残りの返済額によって金額が決まるため、返済が進むほど月々の支払額が少なくなっていく。
元金定率リボルビング方式 借入残高にあらかじめ決められた割合をかけた金額を元金返済に充て、そこに利息分を上乗せする方式。元金の返済が優先されるため、元利定率より利息を抑えやすい。

主にキャッシングでリボルビング方式と呼ばれるものは「元利定額リボルビング方式」である場合が多く、ほとんどのキャッシングはこの返済方法を採用しています。

借入残高で返済額が変動する「残高スライドリボルビング返済」

上記の説明をまとめると、「残高スライドリボルビング返済」は毎月の返済額が借入残高に合わせて一定の金額にごとに変動していく返済方式となります。

返済額は利息と元金を合わせて一定に設定されている場合が多く、元金の返済が進むほど毎月の返済額が少なくなっていき、負担が減っていきます。

借入残高によって返済額は変動しますが、一定金額内であれば返済額は変わらないため、比較的返済金額の計算もしやすいのが特徴です。

「残高スライドリボルビング返済」のメリット・デメリット

残高スライドリボルビング返済の仕組みは分かったと思いますが、ではこの返済方式はどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?

こちらも詳しく説明していきたいと思います。

メリット:返済が進むにつれ返済額が減り負担が少なくなる

メリットは先にもあげていたように、元金の返済が進むほど毎月の返済額が減っていくため、だんだん返済の負担が少なくなっていくことです。

また、借入残高によって返済額が固定されているので新たに借り入れをしても、一定金額内であれば返済額が変わらないので返済時の負担が増えにくいこともメリットの1つです。

例えば、元々10万円借り入れをしており追加で20万円の借り入れをした場合。

通常であれば30万円分の返済額が毎月かかってきますが、リボルビング方式で借入残高10~30万円台は返済額が月1万円と決まっていれば、10万円借りていた時も30万円借りた後も毎月の返済額は変わりません。

そのため、一定金額内であれば追加の借り入れがしやすいのも特徴です。

デメリット:返済が長期化しやすく総返済額が多くなりやすい

一方、デメリットとしては返済が進むにつれ毎月の返済額が減っていくので返済が長期化しやすく、総返済額が大きくなりやすいことです。

カードローンでよく使われる元利定額リボルビング方式は、利息と元金の返済分を合わせて一定金額に設定されています。

そのため、毎月の返済額が1万円と決められていた場合、その中に利息と元金の返済分が含まれています。

さらに、返済額に占める利息と元金の割合を決める際、まず利息の返済分が優先されて残りが元金の返済分になるというルールがあります。

つまり、毎月の返済額が1万円でその月に発生した利息が8,000円だった場合、1万円返済していても8,000円引いて残った2,000円分しか元金の返済に充てられません。

完済まで返済額が変わらなければ元金の返済が進むにつれ発生する利息が減り、元金の返済割合の方が多くなっていきます。

しかし、残高スライドリボルビング返済の場合元金が減るにつれ返済額自体が減っていくので、返済額に占める利息と元金の返済の割合が変わっても元金の返済はあまり増えません。

その結果、なかなか元金の返済が終わらず返済が長期化しやすく、支払うべき利息を含めた総返済額が増えやすいのです。

繰り上げ返済を活用しよう!賢いキャッシングのポイント3点

このように、残高スライドリボルビング返済は返済が長期化しやすく、利息も含めた総返済額が多くなりやすいといった特徴があります。

しかし、この特徴をしっかり把握した上でなるべくお得に返済する方法もあります。

そこで、いざというときにキャッシングをより賢く利用するために、キャッシングの重要なポイントを3点ご紹介します!

1.毎月の返済額をシミュレーションして返済計画を立てる

まず、借り入れを考えた時点で、毎月の返済額や利息も含めた総返済額、返済期間などをなるべく具体的にシミュレーションをしてみましょう。

これをいい加減にしてしまうと、月々の返済額が払えなくなって返済のために追加で借り入れをしなくてはいけなくなったりします。

生活費、交友費などの生活に必要な経費を多めに見積もっておき、月々の収入から自分がいくらまでなら返済に回せるかしっかりと把握しておくことが重要になります。

借入残高による毎月の返済額は各キャッシング会社によっても違いますので、毎月の返済額がいくらになるのか、完済まできちんと支払いきれるのか確かめてからキャッシングの利用をしてください。

その際、利息や元金の変動による月々の返済額を自分で計算するのは難しいので、キャッシング会社のHPやスマートホンのアプリなどにある返済シミュレーターを利用すると良いでしょう。

シミュレーターを使用すれば、借入金額や実質年利などを入力するだけで完済までに月々いくら返済すればいいのか、総返済額や総返済期間はどのくらいになるのか自動で算出してくれます。

もし利用したいキャッシング会社にシミュレーターが無くても、インターネットで探せば残高スライドリボルビング返済に対応した無料シミュレーターも出てくるので、ぜひ活用してみて下さい。

2.返済方法や返済期日をしっかり確認しよう

これは返済計画を立てる時に合わせて確認してもらいたいのですが、返済方法と返済期日はしっかり確認しておきましょう。

キャッシングの返済方法は主に以下の方法があります。

  • 提携ATMからの振り込み
  • 銀行口座からの引き落とし
  • 店舗などの窓口で直接支払う
  • インターネットバンキング(Pay-easyなど)

しかし、各キャッシング会社によって利用できる返済方法は大きく異なります。

口座引き落としでしか返済出来ない会社や、ATMの利用手数料が利用者負担か無料かなどキャッシングサービスによってルールが異なるので前もって確認しておきましょう。

あまりに自分にとって手間がかかる返済方法のキャッシングを選んでしまうと、うっかり返済を忘れて遅延損害金を支払うことになったり、ATM返済をしたため完済までずっと手数料がかかったりと余計な出費を増やす要因になります。

また、返済期日もいくつかの選択肢から選べる会社や一律で返済日が決まっている会社など様々です。

返済期日に関しては忘れないように把握できていれば問題ありませんが、給料日の直後などに設定されているキャッシングを選んでおくと、「口座に返済分のお金が残っていなかった」といったうっかりを防ぐことも出来るのでオススメです。

返済方法や返済期日はキャッシングの公式HPなどにも記載されており、分からなければ電話窓口に相談することも出来るので契約前に調べておきましょう。

3.繰り上げ返済で元金を効率よく返済する!

残高スライドリボルビング返済において、利息を抑えるため特に重要になるのがこの「繰り上げ返済」です。

繰り上げ返済は臨時返済などとも呼ばれ、毎月の返済に加えて任意のタイミングで好きな金額を追加で返済できる返済方法です。

そして、繰り上げ返済で返済した金額は全額、元金の返済に充てられるというのが1番のメリットです。

返済した分だけ元金を減らすことが出来るため、効率よく元金を返済することが出来、利息を抑えて返済期間を短縮することが可能です。

繰り上げ返済は毎月の返済額に上乗せして支払わなくてはいけないため、ボーナスなど臨時収入が入って返済に余裕があるときに行うのが一般的です。

早めに返したいからと無理に上乗せして返済してしまうと、逆に生活が苦しくなってしまう可能性もあるため無理は禁物です。

また、残高スライドリボルビング返済の場合、借入残高が減って毎月の返済額が1万円から5,000円に減った際、その差額の5,000円分を繰り上げ返済に回せば、月々の返済額は変わらないまま元金の返済効率を上げることが出来ます。

もし借入残高が残りわずかで一括で返済が出来そうであれば、その時点で返済期日を待つことなく一括返済を行ってしまっても良いでしょう。

しかし、注意してもらいたいのが繰り上げ返済や一括返済もキャッシングサービスを提供する会社によってルールや返済方法が異なるという点です。

繰り上げ返済の方法は毎月の返済方法を同じ方法で出来る会社もあれば、窓口に連絡が必要だったり、毎月の返済とは別の方法でしか受け付けていない会社など様々なのでしっかり確認をしておく必要があります。

折角繰り上げ返済をしようとしても、自分にとってやりにくい方法しかなければ返済時の手間が増えてしまい、あまり繰り上げ返済を活用できなかったということにもなりかねません。

さらに繰り上げ返済などのルールも会社によって異なっており、中には返済期日より1週間前までに振り込んだ分は全て繰り上げ返済に充てるといったルールを定めている会社もあります。

この場合、繰り上げ返済と一緒に当月の返済分も払ったつもりが全て繰り上げ返済分に充てられており、結果毎月の返済が出来ておらず返済遅延になってしまったということもありえます。

毎月の返済方法を調べる際、一緒に繰り上げ返済や一括返済の返済方法、ルールも調べておきましょう。

その上で、自分のライフスタイルや返済のしやすさに合わせてキャッシングを選択するのが、お得で賢いキャッシング利用方法への近道と言えるでしょう。

「残高スライドリボルビング返済」の仕組みと賢い利用法まとめ

最後に残高スライドリボルビング返済の仕組みとオススメの利用方法のポイントなどをまとめておきます。

  • 残高スライドリボルビング返済は、毎月の返済額が借入残高の一定額ごとに変動していく返済方法
  • 借入残高の金額帯によって返済額が決められているため、その範囲内であれば追加の借り入れをしても月々の負担は変わらない
  • 返済が進むほど毎月の返済額が減っていくので返済の負担が減る反面、返済期間が長期化しやすく余分な利息が発生しやすい
  • HPなどのシミュレーターを利用し、月々の返済額や総返済額などを把握したうえで返済計画をしっかり立てることが重要
  • 返済方法などはしっかりと把握したうえで、繰り上げ返済も含めて自分に合った返済方法のキャッシング会社を選ぼう
  • ボーナスなどの臨時収入が入ったり、月々の返済額が減ったタイミングで繰り上げ返済を活用し、無理のない範囲で効率的に元金を返済して利息を抑えましょう

キャッシングは毎月きちんと返済を行うことが重要ですが、残高スライドリボルビング返済の場合、毎月の返済額だけ払っていてもなかなか返済は終わりません。

そのため、返済計画をしっかり立てた上で出来る時に繰り上げ返済などをして、元金や返済期間を減らしていくことが大切になります。

特に毎月の返済額が減ったタイミングであれば、今まで支払っていた金額の余りを繰り上げ返済に回すことで無理なく繰り上げ返済が出来るためオススメです。

これらのキャッシングの仕組みを理解した上で、上手にキャッシングを利用していってください。