国の教育ローン申し込みはどこですれば?申込書の入手方法は?

教育ローンを利用するのに「国の教育ローンが良いけど、どこでどのような手続きをすればいいのかわからない…」という方は多いのではないでしょうか?

教育ローンと言えば金融機関のものもたくさんの種類がありますが、国のローンだと金利が低かったり、利子がかからなかったりと、金融機関のものよりお得に借りられそうなイメージがありますよね。

そこで今回の記事では、国の教育ローンの申し込み方法について紹介していきます。どこで申し込めば良いのか、また金利はどれくらいなのかなど詳しく紹介していきますよ。国の教育ローンを検討している方の参考になれば幸いです。

そもそも国の教育ローンってどこが提供している商品なの?

国の教育ローン…と言いますが、そもそもどこから提供されている商品かご存知でしょうか。国の教育ローンは「株式会社日本政策金融公庫」というところが提供しているローンです。

株式会社日本政策金融公庫は2008年に発足し、本店は東京都千代田区大手町にあります。全国に152の支店(令和2年現在)を持ち、国の教育ローンの他にも創業支援や海外展開支援…

その他にも事業継承支援、就農や農業参入支援など様々な支援を展開し、低金利または無利子で資金の融資を行っています。

法律や予算で決められた範囲で、年間約30万件の事業資金融資を行っている「政府100%出資の政策金融機関」です。

さて、国の教育ローンを利用できる方の条件は、「融資の対象となる学校に入学、在学される方の保護者(主に生計を維持されている方)で世帯年収(所得)が上限以内の方」となっています。

利用できる方の世帯年収(所得)の上限額です。()内の金額は事業所得者の場合の所得上限額です。なお世帯年収には、世帯主の他、配偶者の収入(所得)も含まれますので注意しましょう。

子供の人数 世帯年収(所得)の上限額
1人 790万円(590万円)
2人 890万円(680万円)
3人 990万円(770万円)
4人 1,090万円(870万円)
5人 1,190万円(970万円)
また、子供が2人以内で以下のいずれか一つに該当する場合は、上限額が990万円まで緩和されますので、このような場合は申し込みの際に追加の書類を提出し、緩和の措置を受けることができます。
  • 勤続(営業)年数が短い(3年未満)
  • 居住年数が短い(1年未満)
  • 世帯のいずれかの人が自宅外通学(予定)者
  • 借入申し込み人またはその配偶者が単身赴任をしている
  • 今回の融資が海外留学金である
  • 借入申し込み人の年収に対して返済の負担額が大きい(30%超)
  • 親族に「要介護認定」を受けている者がいて介護に関する費用を負担している
  • 大規模な災害によって被災した場合

この際に必要になる追加の書類には、例えば「自宅外通学が確認できる書類(住民票、不動産賃貸借契約書、賃貸予定の物件明細など)」や、「罹災証明書(原本)」などが挙げられます。

どんな学校でも融資の対象になるの?使い道はどこまで?

国の教育ローンは、どんな学校でも融資の対象になるのでしょうか?…融資の対象となる学校は、以下のようなものが挙げられます。

就業年限が6ヶ月以上(外国の教育施設は3ヵ月以上)で中学校卒業以上の方を対象とする、大体の教育施設を対象としていますので、ほぼ全ての学校が対象となっていると言っても良いでしょう。

  • 大学、大学院(法科大学院などの専門職大学を含む)、短大
  • 専修学校、各種学校、予備校、デザイン学校
  • 高等学校、高等専門学校、特別支援学校の高等部
  • 外国の高等学校、短大、大学、大学院、語学学校
  • その他の職業能力開発学校などの教育施設

ちなみに以下のような場合の費用は対象外となってしまうので、注意しましょう。

  • 正規の学籍で学校に在籍しない場合(大学や短大の研究生や聴講生として在籍する場合など)
  • 学生が公務員として通う場合(防衛大学、医科大学、航空保安大学、海上保安大学、気象台学、税務大学など)
  • 企業内教育訓練施設の場合(学費が無料の企業内学校や特定の企業の従業員が給与の支給を受けながら通う訓練学校など)

教育ローンというと入学金や授業料などにしか使えないイメージもありますが、以下のような用途に利用することも可能です。幅広い用途で学生を応援しています。

  • 学校納付金(入学金、授業料、施設設備費)
  • 受験に関わる費用(受験料、受験の際にかかる交通費、また宿泊費)
  • 在学に必要となる住居のための費用(アパートやマンションなどの敷金や家賃など)
  • 教科書代、教材費、パソコンの購入費用、通学費、修学旅行費用など

入学前の準備期間は引っ越しや新生活の準備など、大きな費用が必要になる時期なので、教材費や教科書代にも利用できるのは助かりますね。

金利は低い?返済方法はどうしたら良い?

国の教育ローンは金利が低い、または利息がかからないようなイメージもありますが、実際どれくらいの金利がかかるものなのでしょうか?

金利は、令和元年11月の状態では、年1,66%(固定金利、保証料別)となっています。なお母子家庭、または父子家庭で世帯年収200万円(所得122万円)以内の方、または子供3人以上の世帯で世帯年収500万円(所得346万円)以内の場合は年1,26%(固定金利、保証料別)となっています。

その他、融資には限度額があり、子供1人につき350万円以内となっています。1人につき350万円なので、例えば2人なら700万円まで可能ということになります。

融資の対象となるのは今後1年以内に必要となる費用ですが、融資限度額内なら複数回に分けて借り入れすることも可能です。

保証は、(公財)教育資金融資保証基金または、連帯保証人から選ぶことができます。教育資金融資保証基金を選ぶ場合、融資額や返済期間に応じた保証料が、融資金から一括して差し引かれます。(交通遺児家庭や母子家庭、父子家庭の方は通常の2/3の額に緩和されます。)

連帯保証人ですが、進学者または在学者の4親等以内の親族(進学者または在学者の配偶者は除く)を立てる必要があります…また連帯保証人は、申し込みをする方とは別居で別生計の方が望ましいです。

ちなみに4親等以内の親族…と聞いて「どこまでの親戚がOKなの?」と思う方もいらっしゃるかと思うので、ざっくりと親等について紹介しておきましょう。

1親等 血族…父母、子供/姻族…配偶者の父母、子の配偶者
2親等 血族…祖父母、兄弟姉妹、孫/姻族…配偶者の祖父母や兄弟姉妹、孫の配偶者
3親等 血族…曾祖父母、ひ孫、おじおば、甥姪/姻族…配偶者の曾祖父母や甥姪、おじおば、甥姪、ひ孫の配偶者
4親等 血族…高祖父母、玄孫、いとこ、姪孫(甥や姪の子供)

さて、返済期間は15年以内ですが、母子家庭や父子家庭、交通遺児家庭、また世帯年収200万円(所得122万円)以内の方、または子供が3人以上の世帯かつ世帯年収500万円(所得346万円)以内の方は18年以内に緩和されます。

返済方式は「元利均等返済」で、毎月一定の、元金と利息を合わせた金額が、指定の口座から自動的に引き落とされます。

なお引き落としができず、返済が遅れてしまった場合は遅れた日数分の遅延損害金が発生します。(年率8.90%)返済遅れのないよう気を付けましょう。

元金と利息を合わせた金額だと返済が厳しい…という場合は、在学期間中は利息のみ支払う、という支払い方法も可能です。ここまでの情報をまとめておきましょう。

株式会社日本政策金融公庫の国の教育ローン概要

利用できる方 融資の対象となる学校に入学、在学される方の保護者(主に生計を維持されている方)で世帯年収(所得)が上限以内の方が対象(上限額は上記を参考に)
使い道 学校納付金(入学金、授業料、施設設備費)、受験に関わる費用(受験料、受験の際にかかる交通費、また宿泊費)、在学に必要となる住居のための費用(アパートやマンションなどの敷金や家賃など)、教科書代、教材費、パソコンの購入費用、通学費、修学旅行費用などにも可
金利 年1,66%(母子家庭、または父子家庭で世帯年収200万円(所得122万円)以内の方、または子供3人以上の世帯で世帯年収500万円(所得346万円)以内の場合は年1,26%)遅延損害金は年率8.90%
限度額 子供1人につき350万円以内
保証 (公財)教育資金融資保証基金または連帯保証人を立てる
連帯保証人 進学者または在学者の4親等以内の親族(進学者または在学者の配偶者は除く)
返済期間 15年以内(母子家庭や父子家庭、交通遺児家庭、また世帯年収200万円(所得122万円)以内の方、または子供が3人以上の世帯かつ世帯年収500万円(所得346万円)以内の方は18年以内)
返済方式 元利均等返済で毎月自動振替


なお、実際に融資を受けられるのは、申し込みが完了してから20日前後で、申し込み名義人の口座に入金されます。

ちなみに申し込みをする時期ですが、融資の対象となる学校の受験前や合格前でも可能なので、申し込みを決めている方は早めにしておきましょう。

国の教育ローン…申し込みはどこでできる?申し込み方法を詳しく

ここまでは国の教育ローンの概要について紹介してきました。それでは実際に「申し込もう!」となった場合、どこへ申し込めば良いのでしょうか?…申し込みには、以下のような方法があります。

  • インターネット
  • 郵送
  • 窓口

まずインターネットから申し込みを行う場合、日本政策金融公庫のホームページから「インターネット申し込み」をクリックして必要事項を入力して申し込みを行います。

必要事項の入力には、まずはメールアドレスの登録が必須となります。その後「お客様情報の入力」を行いますが、その際には以下のような資料が必要ですので時間のある時にそろえておきましょう。(入力には30分程度の時間がかかります。)

  • 収入のわかる書類(源泉徴収票や確定申告書)
  • 借り入れの残高がわかる書類(借り入れ明細など)
  • 進学志望校または在学校に関する資料(パンフレットや在学証明書)

申し込み後は直ちに「今後のお申し込み手続き案内メール」が届きますので、さらにこれからの申し込みに必要な書類を用意し、日本政策金融公庫へ郵送します。

次に郵送で申し込みを行う場合、教育ローンコールセンターに電話をして、借り入れ申込書を入手します。(教育ローンコールセンター:0570-008656…月~金9:00~21:00、土曜日9:00~17:00)または、各支店で請求することも可能です。

郵送で借り入れ申込書が届きますので、必要事項を記入します。申し込みに必要な書類を用意し、日本政策金融公庫へ郵送しましょう。

なお、申し込みには以下のような書類が必要となりますので、あらかじめそろえておきスムーズに手続きができるようにしましょう。

  • 借り入れ申込書
  • 住民票の写し、または住民票記載事項証明書(世帯全員が記載された原本)
  • 運転免許証またはパスポート
  • 源泉聴取票または確定申告票
  • 預金通帳(最近6ヶ月分以上)

その他、入学資金として申し込む場合は「合格通知書や入学許可証」などが、または在学資金として申し込む場合は、在学を確認できる書類…「学生証や在学証明証」などが必要となります。

最後に、店頭窓口で申し込みの場合は、各支店とも営業時間がありますので営業時間内(全店舗平日9時〜17時)に来店する必要があります。

支店は北海道から鹿児島まで、全国に150以上の店舗がありますので、ホームページで近くの店舗を検索してみましょう。

最寄りの支店を案内してほしい、手続きの流れなどをあらかじめ知りたい…という場合にも「教育ローンコールセンター」に聞いてみるのも良いでしょう。

申し込みをしてから10日前後すると審査結果の連絡があります…なお審査は申し込み書類が全てそろった後に行うので、書類に不備の無いよう気を付けましょう。

審査結果の連絡は郵送で行います。「ご融資のお知らせ(兼借用証明)、預金口座振替利用届」などが届くので、捨てないよう受け取ってください。

その後本契約となります。契約に必要な書類をそろえ、日本政策金融公庫へ提出(郵送でも可)しましょう。ここで必要な書類は以下のような書類です。

  • 印鑑証明書(市役所や町役場で入手可能)
  • 合格を確認できる書類(合格通知書や入学許可証など)…写しで可
  • 送金先口座の預金通帳(郵送の場合はコピー…表紙及び見開き1ページ目)

契約から10日前後で、申し込み名義人の金融機関の口座に日本政策金融公庫から入金が行われます。なお送金手数料がかかりますので、細かく分割して入金するしてもらうよりも、少ない回数でしてもらう方がおすすめです。

申し込みは24時間365日インターネットからで可能!

今回の記事では、日本政策金融公庫の「国の教育ローン申し込み」について紹介してきましたが、いかがでしたか?漠然と「どこに申し込めば?」と思っていた方の疑問が解決すれば嬉しいです。

申し込みはインターネットからなら24時間365日受け付けているので、気軽に問い合わせてみましょう。

申し込みが完了してから20日前後で融資が受けられますが、申し込んだ後で「やっぱり必要ないかもしれない…」という場合はもちろんキャンセルも可能です。

その他わからないことがあれば、教育ローンコールセンターに遠慮なく相談してみましょう。

低金利で合格前の申し込みも可能、また返済も在学中は利子のみの返済が選べるなど、自分に合った返済方法が選べる国の教育ローン…ぜひ便利に利用したいですね。