カードローンなどの借金の返済には利息が付きものです。
そのため利息を抑えようと金利の安いキャッシングを探す方も多いでしょうが、金利が安いだけでは必ずしもお得とは言い切れません。
もちろん金利は安い方が利息は安く抑えられます。
しかし、より利息をお得に抑えたいのであれば、返済方式や総返済額なども確認しなければ思ったより利息が高くついてしまうこともあるのです。
そこで本記事では、返済の仕組みや返済方式、利息を抑えるためのオススメな利用方法などを解説していきます。
借金の利息は、「利息=借金残高×借入利率÷365日×利用日数」という日割り計算で求められます。
このため金利はもちろんのこと、完済までの利用日数を抑えることでよりお得に利用することが出来ます。
この利用日数は、毎月の返済時にどれだけ最初に借り入れた金額である元金を返済できているかによって変わってきます。
毎月の元金の返済が多ければ利用日数は短くなりますし、毎月の返済額がほとんど利息の返済に回っており元金がそんなに返済できていなければ利用日数は長くなります。
毎月の返済金額に占める元金や利息の割合は、各キャッシングサービスの採用している返済方式によって決まります。
キャッシングの返済方式は、借入残高に対して決められた一定金額を返済する「リボルビング方式」と組み合わせて大きく分けて以下の4つの種類があります。
返済方式 | 詳細 |
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元利定額リボルビング方式 | 元金と利息を合わせて一定額を返済する方式。毎月一定額のため返済計画が立てやすいが、始めの内は利息の割合が多くなりなりがち。返済が進むにつれ、利息より元金の返済割合が多くなる方式 |
元金定額リボルビング方式 | 元金だけが一定額が固定されており、そこに利息を上乗せする方式。毎月金額が変動するが、元金の返済割合が完済まで変わらないため利息を抑えやすく、完済が近づくにつれ毎月の返済額も安くなる |
元利定率リボルビング方式 | 借入残高にあらかじめ決められた割合をかけた金額を返済する方式。返済開始時は利息の割合が多く、返済が進むほど元金の割合が多くなっていく。残りの返済額によって金額が決まるため、返済が進むほど月々の返済額が安くなる方式 |
元金定率リボルビング方式 | 借入残高にあらかじめ決められた割合をかけた金額を元金返済に充て、そこに利息分を上乗せする方式。返済が進むほど月々の返済額が安くなるのは同じだが、一定割合で元金の返済が進むため、元利定率より利息を抑えやすいのが特徴 |
多くのキャッシングサービスではこの4つの返済方式の内、「元利定額リボルビング方式」を採用しています。
元利定額リボルビング方式の場合、毎月の返済額から当月に発生した利息を優先的に返済し、余った分を元金の返済に充てるため、返済開始からしばらくはなかなか元金の返済が進みません。
また、これらの返済方式にその月の借入残高によって月々の返済金額を決める「残高スライド方式」という方法を組み合わせることもあります。
そうすると、元金の返済が進み元金の返済割合が増えるタイミングで毎月の返済金額が減るので、元金分の返済額はあまり変わらなくなってしまうのです。
このようにいくら金利が安くても元金の返済がなかなか進まず、利用日数がかかってしまうとあまりお得とは言えないのです。
そのため、金利だけでなく返済方式をしっかり確認しておく必要があります。
また、金利や返済方式以外にも確認しておきたいのが、キャッシングの利用や返済の際にかかる手数料があるかどうかです。
返済方法は各キャッシングサービスによって様々な方式を採用しており、主に以下のような方法があります。
この中で特にしっかりと確認をしてほしい方法が、提携ATMからの振り込みです。
コンビニATMを利用したことがある方は経験があるかもしれませんが、提携ATMの利用時には手数料がかかります。
これは借り入れ時も同じで、コンビニATMなどを利用して借り入れをした場合、利用時にも手数料がかかることがあります。
1回にかかる手数料は100~200円ほどとはいえ、それらが積み重なれば思ったより手数料がかかっていたということもありえます。
そのため、1、2回しか利用しないならともかく、他の返済方法や利用方法を選べるのであれば手数料のかからない方法を選んで利用しましょう。
また、キャッシングサービスによっては提携ATMの利用手数料を会社で負担してくれることもあるため、提携ATMを利用したい場合は利用手数料無料を謳うキャッシングサービスを選ぶのも1つの手です。
1番オススメなのは、金利や返済方法を確認したら具体的に完済までの返済総額や返済の仕方をシミュレーションしてみることです。
キャッシングサービスを行っている消費者金融や銀行などのホームページには多くの場合、金利や借入金額を入力することで毎月の返済金額や総返済額、返済額に占める利息の割合などをシミュレーションしてくれるシミュレーターがあります。
シミュレーターを活用しながら、毎月の返済はどの方法でどのように行っていくのか完済までの道筋をしっかり確認することこそ、お得で上手にキャッシングを利用するポイントです。
とはいえ、金利が安いキャッシングサービスがお得であることも事実です。
そこで以下からは金利の安いキャッシングサービスの選び方も含めた、利息を抑えるオススメの利用法を紹介していきます。
これは、利用時の審査などによって異なることもありますが、カードローンなどを利用する際銀行キャッシングの金利の方が安い場合が多いです。
最高金利に注目した場合、消費者金融は実質年利17~18%を採用していることが多いのですが、銀行では実質年利14~15%のことが多いのです。
必要提出書類なども消費者金融とほとんどの場合変わらず、該当銀行に口座を作らずとも利用できる銀行もありますので、金利を抑えたい方は銀行のキャッシングを探すのも良いでしょう。
ただし、1つ注意点として、銀行のキャッシングサービスは即日融資を行っていません。
銀行では2018年より返済能力を超えた借り入れによる自己破産や反社会勢力の利用を防ぐため、審査自体を強化したこともあり最短でも数日ほど審査に時間がかかってしまいます。
そのため、銀行のキャッシング利用を考えているのであれば数週間ほどの余裕をもって手続きを進めることをオススメします。
もし急ぎとのことでしたら、土日祝日でも即日融資を行ってことがある消費者金融の利用を検討しましょう。
また、車の購入や冠婚葬祭の費用など使い道が決まっているのであれば専用ローンもオススメです。
特に近年では、オートローンや住宅ローンなどの他にも、エステや美容整形・脱毛などにも使える美容系のローンや、ロードバイクの購入や整備に使える自転車ローンなど様々な専用ローンがあります。
専用ローンの利用条件としては、安定した収入があり学生でなければパートやアルバイトの方でも申し込めるものもあります。
使い道を証明するためにいくつか書類をそろえなくてはいけないなど制約はありますが、金利が気になる方は自分の利用したい専用ローンがあるか、1度探してみて下さい。
ただし、こちらも審査にはそれなりに時間がかかりますので利用をする際は、余裕をもって申し込みましょう。
また、使い道や収入を証明するための書類にどのようなものが必要かというのは、利用するローンによっても異なります。
中には用意するのに時間のかかる場合もあるため、必要書類の確認もしっかり行ってください。
カードローンではまずは利用してもらうために、新規契約者に30日間無利息キャンペーンなどを行っていることもあります。
利用開始から一定期間は金利がかからないため、その期間内に一括で返済してしまえば利息はかかりませんし、例えその期間内に返済しきれなくても通常より利息は安価で済みます。
少額の利用であれば給料日に一括返済を行うことも不可能ではないので、利用期間を調節すれば無理なく返済出来ます。
無利息キャンペーンはカードローンなどをまずはお試しで使ってもらうことを目的としているため、実際に使ってみて自分に合っていそうであれば以降の借り入れも、そのキャッシングサービスを利用するのも良いでしょう。
さらに、銀行カードローンには銀行に給料振り込みに利用する口座を持っている、住宅ローンなどのその他ローンを利用している人の金利を割引するサービスを行っている場合があります。
こちらは新規契約などに関係なく、条件さえ満たせば0.5~2.0%ほどの金利の優遇を受けることが出来ます。
ネットで申し込み同時に借り入れをする、給料振り込みの口座を該当銀行のものにするなど比較的簡単に金利優遇を受けられる条件のものも多いので、無利息キャンペーンと同時に調べておくと良いでしょう。
これらのキャンペーンや割引は各キャッシングサービスのホームページに記載されていますが、適応条件や利用期間などが分かりづらい場合もありますので、その時は問い合わせ窓口などに聞いてみて下さい。
同じキャッシングサービスの中でも、キャッシング枠(借り入れ上限額)によって金利が変動する場合があります。
これは、上限額が大きい人ほど高額の借り入れを行う可能性が高く、貸し倒れを防ぐためにも、無理なく返済しやすいように金利を調節しているからです。
そのため同じ10万円を借り入れる場合、契約しているキャッシング枠が上限額100万円の契約と上限額300万円の契約であれば、後者の方が金利を抑えることが出来るのです。
利用上限額はキャッシングの契約後も、増やすことが出来ます。
契約時は年収などの関係から上限額100万円までしか申し込むことが出来なくても、何度かキャッシングを利用し滞りなく返済をすることで信用度が上がれば、もうワンランク上の枠に上がることが出来る場合もあります。
ただし、利用限度額を増額するということはそれだけ借り入れが出来てしまうということなので、自身の支払い能力を超えた借り入れにならないよう、利用状況はしっかりと把握しておきましょう。
特に、公共料金の引き落としなどの際に口座残高が不足していたら自動で貸し付けをする自動貸付という機能があることがあります。
その場合、限度額までは自動で貸し付けが行われるため、自分が把握していないところで結構な金額を借り入れていたということにもなりかねません。
そのため小まめに利用状況を確認するか、不安な方は自動貸付機能を外せるようであれば外しておくことをオススメします。
さらに、金利を抑える方法として「繰り上げ返済」を利用するというのも良く使われるオススメの方法です。
「繰り上げ返済」は臨時返済、随時返済とも呼ばれ毎月の返済額に上乗せする形で好きな金額を好きなタイミングで返済できる返済方法です。
毎月の返済額とは別に返済しなければいけないため、ボーナスなどで余裕があるときや、借入残高が減って返済額が下がった時に行いましょう。
繰り上げ返済で返済した金額は100%元金の返金に充てられるため、繰り上げ返済をするほど元金の返済が進み、完済までの利用期間を抑えることが出来ます。
また、借入残高が残りわずかで全て返済が出来そうであれば、その時点で発生している利息分も含めて一括返済をしてしまっても良いでしょう。
ただし、繰り上げ返済の方法やルールは各キャッシングサービスによって異なります。
毎月の返済同様振り込みなどで行える場合や、窓口で手続きを行う必要がある場合、ボーナスが入る時期に自動で毎月の引き落とし分を増額して行う場合など使い勝手も異なるため、自分がやりやすい方法を選ぶことも重要になります。
またルールもしっかり確認しておかないと、繰り上げ返済と一緒に今月分の返済も行ったつもりが、通常の返済期間外だったため全て繰り上げ返済になってしまい、今月分の返済が出来ていなかったということもありえます。
返済時同様、手数料の有無も異なってきますので毎月の返済方法と一緒に、繰り上げ返済や一括返済の方法もしっかり調べておきましょう。
さらに、繰り上げ返済や一括返済はあくまで返済や生活に余裕があるときに行うものなので、利息を減らそうとして無理に行うのではなく、計画的に行ってください。
最後に、借金の利息について上記にあげたことをまとめておきます。
金利が安ければ、その分借金の利息は抑えることが出来ます。
しかし、それだけではなく返済期間や毎月の返済額なども含めて利用するキャッシングの契約を総合的に確認しなければ、思ったより利息がかさんでしまうこともあるのです。
自分でしっかりと情報収集をし、金利が安くなるサービスや契約を選んだうえで、完済までの返済計画をなるべく具体的にシミュレーションすることが重要なのです。
是非この記事も参考にしたうえで、キャッシングサービスを上手く利用してみてください。