個人事業主はローンが組みにくい?利用時に注意したい4つのポイント

働き方が多様化する中、個人事業主として活躍されている方も多いのではないでしょうか?

個人事業主は自由度も高いですが、その分不安要素もたくさんあると思いませんか?

実際、巷でよく言われているのが「個人事業主はローンなどが組みにくく不利」といったことです。

これは事実なのでしょうか?

今回は、個人事業主がローンを組むときにどういった点に気を付ければよいか調べてみました。すると、特に注意してほしい点が4つほどありましたのでご紹介します。

何のためのローン?資金使途をはっきりしておこう!

お金を借りたい!と思うのは何か理由があるからですよね。

まずは、その理由をはっきりとしておきましょう。

ローンを組む時は目的に沿った種類を選ぶようにしましょう!

車を買いたいからカーローンを組みたい!家を買いたいから住宅ローンに申し込みをする…など、その目的がはっきりしていると、それに沿ったローンに申し込むことができますよね。

目的に沿ったローンの方が、カードローンよりも金利が低いケースも多いので、目的をはっきりさせてから適したローンに申し込むことは、個人事業主の方であっても、その他の方であっても変わりません。

しかし、中には「旅行にも使いたいし、結婚式に出席するための準備にも使いたい…」と複数の目的で借り入れを希望する方や、「生活費に使用したい」という方、目的ははっきりしているけれど適したローンが見つからないというケースもありますよね。

そういったときに、フリーローンやカードローンはその利用目的が大きく制限されていませんので便利です。

しかし、個人事業主の方の場合、フリーローンやカードローンを利用するうえで注意することがあります。

それは、「事業性資金としての利用」が目的に入っているか否かです。

フリーローンやカードローンの場合事業性資金はNGというケースも

個人事業主の方の中には、生活費と事業性資金の棲み分けがあいまいになっているという場合もあるかもしれません。

このような場合、フリーローン、カードローンに申し込むには注意が必要です。

なぜならば、多くのフリーローン、カードローンでは借り入れしたお金を事業性資金として使用することを否としているからです。

例えば、家の家賃を払うお金が無くてカードローンを利用したい!と思ったときに、その家で仕事をしていて、家賃の一部を経費として処理しているとしましょう。

家賃分の為にカードローンを利用するということは、経費として処理している部分もカードローンで借り入れしたお金で支払うということになるかもしれません。

事業性資金としての利用を認めていないカードローンでこういった行為をするのは危険です。

生活費と経費をきちんと分けて利用できるなら、事業性資金NGのカードローンに申し込みをしても問題ないでしょうが、はっきりしないのであればそういったローンへの申し込みは避けましょう。

事業性資金もOKといったローンも存在します!

フリーローンやカードローンのすべてが事業性資金への利用を禁止しているわけではありません。

中には事業性資金でも生活費でもOKというところもありますし、元々が事業主の方向けに展開しているカードローンなどもあります。

純粋に事業性資金としてだけ利用したいなら、ビジネスローンを利用するのも有効な手段です。

ご自分の利用目的をはっきりとさせ、リスクの少ない、適したローンを選ぶようにしましょう。

個人事業主の場合は必要書類増える場合もあるので要注意!

ローンを申し込む時は、様々な書類が必要になりますよね。

個人事業主の方の場合、サラリーマンなどの方よりも必要となる書類が増えるケースも多いのでご注意ください。

身分を証明する書類などはすべての方が必要です!

ローンを申し込むときに必ず必要になる書類があります。

それが身分証明書です。

アナタがどこの誰ですというのを証明する書類となり、これは、ローンに申し込むすべての方が原則提出しなくてはいけません。

身分証明書として有効なのは以下のような書類です。

  • 運転免許証(運転経歴証明書)
  • パスポート
  • 住民基本台帳カード
  • マイナンバーカード
  • 特別永住者証明書
  • 在留カード  など

基本的には公的機関により発行された顔写真が入った証明書が必要となります。

ただし、これらの書類がない…という方に限り、以下の書類を複数組み合わせての申し込みを可能としているローン会社もあります。

  • 健康保険証(国民健康保険被保険者資格証明書)
  • 年金手帳
  • 住民票
  • 戸籍謄本  など

いずれも、申し込み時に記載している住所とかみ合っていることが大前提で、もし住所が異なる場合は別の書類が必要となることもありますので注意しましょう。

収入証明に関する書類や事業計画の書類が必要となることも…

個人事業主の方にお金を貸すときに、何を一番気にすると思いますか?

それはやはり「この人にお金を貸してきちんと返済してくれるのだろうか?」という点ではないでしょうか。

この返済がきちんとできるか否かは、いくら申込者が「ちゃんと返済します!」と言っても客観的な判断ができませんよね。

この判断をするために必要となる書類が、収入を証明する書類です。

個人事業主の方が収入証明のために必要となる書類は、「確定申告書」としているローン会社が多いです。

確定申告書には原則税務署または税理士の押印が必要となるケースが多いですが、押印がない場合でもプラスで所得証明書などを提出すると認められることもあります。

また、確定申告書だけではなく、支払調書などそのほかの書類が必要なることもありますので注意しましょう。ローンの種類によっては、事業計画書や事業内容証明書、営業許可証などを提出しなくてはいけないケースもあります。

仕様などが指定されているローンもありますので、申し込み前にきちんと確認し、あらかじめ準備するようにしてくださいね。

収入の格差が多い人ほど注意!しっかりと返済計画を立てよう

ローンは申し込みをし、審査に通って借り入れ出来れば終わりではありませんよね。

その先には必ず返済という作業が待っています。

収入が安定しない場合は返済を最低収入の時で考えてみよう!

月ごとで収入がまちまちだという個人事業主の方も多いのではないでしょうか。

少ない月と多い月で10万円近く差がある…なんていう方も良くいらっしゃいます。

月の収入に格差が激しい方は特にしっかりと返済計画を立てるようにしましょう。

ローンは、毎月の返済額が収入にあわせて増減するということはありません。

例えば毎月5万円返済…となると、収入が多かろうが少なかろうが5万円ずつ返済しなくてはいけません。

仮に年収が600万円あるから毎月5万円返済でも大丈夫だろう…と、安易に考えてしまうのは危険なのです。

月収が30万円や40万円の時の5万円返済と20万円の時の5万円返済ではその負担が大きく異なりますよね。

個人事業主の方は返済計画を出来るだけ少ない収入月を基準に考えるようにした方が堅実なのです。

そして、収入が多い月には、繰り上げ返済をするなどして、できるだけ早めに完済するように努めましょう。

個人事業主はローンの審査が厳しいってホントなの?

ローンの審査でよく言われるのは、個人事業主の方の場合ローンの審査が厳しい傾向があるということです。

これは事実なのでしょうか?

ローンの審査基準は会社によってまちまちです!

ローンの審査を行っているのは基本的にローン商品を提供している会社です。また、保証会社が設定されている場合は、保証会社も審査を行います。

その審査の基準は実は会社によってまちまちなのです。

そのため、A社のローンは通ってもB社のローンは通らなかったという事態はサラリーマンの方でも個人事業主の方でも起こりえます。

ローン審査の基準は公表されていませんが、一般的に共通と思われるポイントがあります。

  • 安定した収入があるかどうか
  • 過去に金融トラブルを起こしていないかどうか
  • 現在の他社の借り入れ状況はどうか

こういったポイントも個人事業主の方とサラリーマンなどの方で変わりがないと言われています。

ここで個人事業主の方が大きくポイントとなってくるのが一番目の安定した収入があるかどうかです。

やはり収入が不安定なイメージがあるので、安定した収入があるとアピールすることはとても重要なポイントとなります。

場合によっては過去1年間の収入証明だけではなく、数年分の証明が必要というケースもありますので、まだ事業を起こしたばかりという方は審査が厳しくなる傾向はあるでしょう。

また、そもそも個人事業主の方が対象となっていないローンも存在しています。

そういったローンに申し込むのは時間と手間の無駄ですから、あらかじめ商品概要をしっかりとチェックし、個人事業主の方でもOKのところに申し込むようにしてくださいね。