忘れないで…過払い金請求の時効は取引終了後から10年!

テレビCMなどで「過払い金」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。一時期よりも減ったとはいえ、いまだに「過払い金」に関係するCMを弁護士事務所や司法書士事務所が行っています。

ではどうしてこんなに「過払い金」のCMが流れるのでしょうか?様々な要因がありますが、そのうちの一つに過払い金の返還請求には時効があるということが関係しています。

時効を過ぎてしまうと過払い金請求が難しくなってしまうのです。

今回は、過払い金請求と時効の関係について調べてみました。

まずは「過払い金」を理解し発生しているか調べてみましょう!

過払い金請求はすべての方が行えるわけではありません。過払い金が発生している場合のみ請求を行うことができます。

まずは、過払い金が発生しているかどうかをチェックする必要があるのです。

過払い金は業者側に払い過ぎた利息のことを指します!

そもそも過払い金とはいったいどういったお金でしょうか。

過払い金はその名の通り、払い過ぎたお金のことになるのですが、これは、何のお金かというと利息になります。

カードローンなどを利用してお金を借りると、返済の際に利息も併せて支払いますよね。

この利息を払い過ぎたために発生するのが過払い金です。

ではなぜ利息を払いすぎるという事態が起こるのでしょうか。

これは以前運用されていた法律が大きく関係しています。

2010年以前、カードローンなどに関する利息について出資法と利息制限法の2つの法律があり、別々の上限金利が設定されていました。

法律 上限金利
出資法 年最大29.2%
利息制限法 年最大20.0%

この29.2%と20.0%の差の部分をグレーゾーンと言い、多くの消費者金融がこのグレーゾーンの範囲内で金利を設定していました。

しかし、裁判で、出資法の範囲内であったとしても利息制限法を超える金利を支払う必要はないという結果が出て、グレーゾーン金利で支払った利息は返還されるべきと判断されたのです。

結構な業者がグレーゾーン金利を採用していたために、多くの方に過払い金が発生していると予測されています。

過払い金が発生しているかどうかチェックできるの?

気になるのは、ご自分が今まで利用してきたなかで、過払い金が発生しているかどうかですよね。

実は、業者側から「アナタは過払い金が発生していますので請求してくださいね」なんていう優しい案内は来ません。

ご自分で過払い金が発生しているのかどうか計算し、業者と交渉し請求する必要があるのです。

過払い金が発生している絶対条件は、「グレーゾーン金利で消費者金融などを利用した経験がある」ということになります。

このグレーゾーン金利ですが、2010年6月に法律が改正されて以降は完全に廃止されていますので、2010年6月よりも前に取引したことがあるという方が対象だと思っておくとよいでしょう。

2010年6月よりも前に、20.0%を超える金利で消費者金融などを利用した経験がある場合は、過払い金が発生している可能性があります。

まずは、ご自分がいつどんな金利で利用したか思い返してみてくださいね。

過払い金請求の時効は取引終了後から10年なので要注意!

過払い金請求をする上で、最も注意してほしいことがあります。

それは、「時効」です。

過払い金請求には時効が設定されています。

時効を過ぎてしまうと過払い金請求は難しくなります!

過払い金請求は気が向いた時に好きにすれば絶対にお金が返還されるというものではありません。

時効の範囲内で、請求を行う必要があり、時効を過ぎてしまうと請求が難しくなってしまうのです。

では、時効はどのくらいなのでしょうか?

過払い金請求の時効は取引終了後から10年です。

10年を超えてしまうとたとえ100万円以上過払い金が発生していたとしても、消滅してしまい、請求できなくなってしまうのです。

10年なんて経ってしまっているかもしれない!と焦った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここで、注目してほしい点があります。それが、「取引終了後から」という部分です。

この「取引終了後」というのはその業者と解約をしてからという意味だけではありません。

もちろん、借り入れ完済し、解約をしてしまえば完全に取引が終わるので、解約から10年たつと時効になるというのは正解です。

しかし、例えば完済し、それから利用していなくて、利用履歴が全くない場合は、「完済した時点から10年」ということになります。

また、完済していなくても、途中で返済を辞めてしまったり、借り入れをしてから全く返済しなかったりした場合は、その最後の取引から10年後が時効ということになりますので注意しましょう。

たまに、契約した日から10年で時効とか、最初の過払い金についての裁判の結果が出てから10年で時効…と勘違いした方もいらっしゃいますが、そういったことは無いのでご安心くださいね。

そして、1点注意してほしいのは、取引と取引の間がかなり空いている場合です。

例えば、A社から金利25.0%で借入した50万円は11年前に完済し、それから5年間は利用していなくて、5年後金利10.0%で再びA社から50万円を借入した…というケースだと、過払い金が発生している可能性があるのは11年前に完済した方ですよね。

11年前に一回完済しているけれど、それから5年後に取引しているんだから取引終了後には当てはまらないだろう…と思うかもしれませんが、これは難しいかもしれません。

11年前に完済し、そこから5年間取引が無かったのであれば、初めの取引はいったん終了していると判断されてしまう可能性があるのです。そうなると取引終了から11年たっていることになり、過払い金請求は難しくなってしまいます。

過払い金の対象となる取引がいつ終了したのかというのは請求するにあたって重要なポイントなのです。

現在返済中の方も過払い金があれば返還請求することができます

過払い金請求の時効が10年ということは、請求はきちんと完済してからでないと行えないのでしょうか?

現在返済中であっても発生している過払い金は請求することが可能!

2010年よりも借入したお金をまだ返済している…という方や、カードローンで借りては返しを2010年以前から繰り返していてまだまだ完済の目途が立っていないという方もいらっしゃるかもしれません。

このような方は過払い金が発生していても請求できないのでしょうか?

実は、たとえ現在利用中で返済中であっても、過払い金が発生しているのであれば返還請求を行うことができるのです。

そして、返還してもらった過払い金をそのまま残りの返済に充てることも出来ます。そして、過払い金で完済された場合は、余ったお金はきちんと返金されるので安心です。

実際に、100万円以上の過払い金が発生し、借金も返済でき、手元にも幾らかお金が入ってきたという方も何人も存在しています。

ただし、利用中に過払い金請求を行う場合は注意しなくてはいけないこともあります。

利用中の返還請求は信用情報に登録される可能性もある!

完済し取引終了後に過払い金を請求するのと、利用中に過払い金を請求するのでは大きな違いがあります。

それは、信用情報に登録される可能性についてです。

信用情報は、ローンの内容、借入額、返済状況等ありとあらゆるクレジットヒストリーが登録されていますが、利用中に過払い金を請求すると信用情報に金融事故情報として登録される可能性があります。

これはすべてのケースではなく、主に、利用中に過払い金請求をし、残債の返済充てたが、それでも債務が残ってしまった場合に該当します。

信用情報に事故情報として登録されてしまうと、今後数年間は新規のローンなどが難しい状況になってしまうのです。近々住宅ローンなどのローンを組む予定がある…といった方はタイミングをしっかり見計らって過払い金請求をしましょう。

完済している状態で過払い金請求をしたり、債務はあったけれど過払い金で全部返済出来たというケースの場合はそれほど心配する必要はありません。

過払い金請求に不安があるなら専門家にも相談しましょう!

過払い金請求は業者が案内してくれるわけではなく、こちらがきちんと計算して請求しなくては受け取ることができません。

しかし、その計算は複雑ですし、業者との交渉も良く分からない…そもそも取引した履歴とかないし…と諦め気味になっている方いらっしゃいませんか?

そのような方は是非、専門家に相談をしてみると良いでしょう。

司法書士や弁護士が相談に乗ってくれます!

過払い金についての相談は、司法書士や弁護士にするとよいでしょう。

実際に過払い金が発生しているかどうかの計算や、業者との交渉などプロとして行ってくれます。

司法書士は金額や交渉事に制限がありますので、その点はご注意ください。

弁護士は、万が一業者側と裁判になったとしてもきちんと対応して貰う事ができます。

ただし、一言で弁護士と言ってもピンキリです。

過払い金請求の実績が多くあるところや、口コミなどで確認したり、無料相談などを利用して信頼できるな…という方を選ぶようにしてくださいね。

また、プロを利用する場合、当然費用が発生します。完済している場合は着手金は無料というところもありますので、ご自分に合ったところを探してみましょう。

過払い金はもともと払い過ぎたお金ですから、返還して貰う事に対しては当然の権利です。ただし、交渉など面倒な手順があることもまた事実なのです。

自分だけでは不安…しっかりと取り戻したい!という方はぜひ専門家への相談も検討されてみてはいかがでしょうか。