住宅ローンを低金利で利用したいのなら財形住宅融資

住宅の購入を考えると銀行の住宅ローンの利用が先に思い浮かぶと思います。そうすると大手の銀行でも金利は1.0%も超えないので、低金利でお得だと感じますが実はここよりも金利が低くて安く利用できる借入先があります。

それは「財形住宅融資」です。

上手く活用できれば金利は0.33%と低金利で利用できます。この金利の差は重要になります。何千万とかかる住宅の購入であれば、金利0.1%の差が100万円にもなってしまうからです。

今回はこの財形住宅融資についてのメリットから、利用をする前の注意点を踏まえて徹底的にご解説していきます。

財形住宅融資のメリット

財形住宅融資は企業が採用している福利厚生の一部であり、利用することで様々なメリットが得られます。

個人で加入することができないのが難点ですが、加入していれば銀行の住宅ローンよりもお得にローンを組むことができます。

財形住宅融資で得られるメリットは以下の通りです。

  • 他よりも圧倒的な低金利
  • 融資事務手数料と保証料が無料
  • 金利引き下げの特例措置がある

上記のメリットについて一つずつご紹介していきます。

他よりも圧倒的な低金利

財形住宅融資の一番のメリットになるのが、銀行などの住宅ローンよりも低金利で利用できることです。

しかし、財形住宅融資には申し込み窓口によっては金利が違ってきます。以下に商品別に金利をまとめたので参考にしてください。

商品名 金利 金利優遇
財形住宅金融 年0.53% 年0.33%
住宅金融支援機構 年0.65% 年0.45%
フラット35エース 年0.8% 無し
財住金フラット35S(Aプラン)20年以下の返済 団信加入 
年0.87%
団信不加入 
年0.67%
財住金フラット35 20年以下の返済 年1.12% 無し

上記の表を見るとわかる通り、商品ごとに金利は違いますが財形住宅金融では一般の住宅ローンよりも金利は低くなっています。

融資事務手数料と保証料が無料

銀行などの住宅ローンでは融資事務手数料と保証料で数十万円かかってしまうことがありますが、財形住宅融資ではこれらを無料にすることができます。

中にはこの二つの料金で50万前後かかることもあるので、これを無料で利用できるの嬉しいポイントになります。

金利引き下げの特例措置がある

財形住宅融資では特例措置により5年間は金利引き下げることができます。内容は以下の通りです。

子育て勤労者支援
対象:18歳以下の子供を扶養する勤労者

中小企業勤労者
対象:常時従業員300人以下の企業に勤めている

通常金利からさらに0.2%も引き下げることができるので、金利による負担が大きい住宅ローンでは見逃せないポイントになります。

ですが、この金利の引き下げは5年以降は適用されずに、通常金利に戻されてしまうのでその点を踏まえて検討するのがいいでしょう。

デメリットはもちろんあります

財形住宅融資のメリットを伝えてきましたが、もちろんデメリットは存在します。デメリットは以下の通りです。

  • 団信保険料は自己負担
  • 借入可能額に制限がある

上記のデメリットについて一つずつご紹介していきます。

団信保険料は自己負担

財形住宅融資では融資事務手数料や保証料が無料の代わりに、団信保険料は自己負担になります。

銀行などの住宅ローンではこの団信保険料は、銀行側が支払ってくれるのでこの点に関してはデメリットになります。

団信保険は加入していると、借主が死亡したり高度障害状態になった場合にローンを保険料で支払うことで完済することができます。ですがこの団信保険では、3大疾病の保証はされていません。

金利を上乗せすることで保証範囲を広げることもできますが、その分料金も上乗せされます。

もし、3大疾病の保証をつけない場合で4000万円のローンを組み35年で返済を計画すると、総額で250万円程かかり、最初の月には13万円ほどかかります。借入の金額が減っていくごとに保険料も減っていきます。

この点を踏まえても銀行などの住宅ローンよりは初期費用は少なく済ませることができますが、実際に計算をしてどちらで融資を受けるとお得に利用できるのか確認しておきましょう。

また団信に加入しなければ金利が下がる商品もあるので、自身が現在加入している保険の内容を確認してシミュレーションは必ず行ってから検討してください。

借入可能額に制限がある

財形住宅融資で借りられる金額は、財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄の合計した金額の十倍までしか借りることはできません。

なので、合計金額が400万の場合は4000万まで借りることができます。

ですが、財形住宅融資で借りられる限度額は4000万円までとなっているので、400万円以上貯めていてもそれ以上の額でローンを組むことはできないので注意してください。

財形住宅融資と銀行住宅ローンの違い

財形住宅融資の方が金利はお得に利用することができますが、手数料や保険料によっては銀行の方がお得に利用できることもあります。

大きな買い物にはなるので、きちんとそれぞれを比較してメリットを把握しておきましょう。

金利を実際に比較

以下に財形住宅融資と銀行の住宅ローンの金利と、その他かかってくる費用をまとめてあるので参考にしてください。

ローン形態 金利 融資事務手数料 保証料
財形住宅融資 年0.67% 無料 無料
大手銀行平均 年0.590〜3.190% 約3〜5万円 金利0.2%
ネット銀行平均 年0.457〜1.802% 5万〜融資金額の2.20%(銀行による) 無料のところが多い

上記の表を見ると、金利に関してはネット銀行が一番低いように見えます。

財形住宅融資であっても金利引き下げの特例措置を受けられなければ、他の住宅ローンを利用した場合の方がお得に利用できる可能性があるのです。

ですが特例措置を受けると金利は0.33%でローンを組むことができるので、他の住宅ローンよりも大幅な金利の節約ができます。

金利が0.2%引き下げられるだけと思われる方も多いのですが、住宅などの大きなローンを組むとこの数字はバカにできないのです。

例えば、4000万円の35年で返済するローンを組んだとします。

この場合、金利が0.475%の場合は総返済額が約4340万円であり、金利が0.33%の場合は約4230万円と110万円も安くなるのです。

また銀行での融資事務手数料や保証料は分かりにくくなっていますが、こちらも100万〜150万円ほどはかかると考えておいたほうがいいでしょう。

検討中の段階ならば、必ず自身でシミュレーターを使って確認をしておきましょう。

財形住宅融資の金利は5年ごとに見直し

財形住宅融資で一番低い金利である0.33%は5年間の固定金利で利用しなくてはなりません。

固定金利なので5年間は金利が変更されませんが、それ以降では景気により金利が大きく変動する可能性があります。

また、特例措置で引き下げられる期間も5年間なので、その分も金利が高くなってしまいます。

なので、10〜20年の長期期間のローンを組む場合は銀行の住宅ローンの利用を検討するか、完全固定金利である「フラット35」を併用して利用する方法があります。

フラット35との併用利用がお得

財形住宅融資では他のローンと併用することができるので、5年後以降の金利の変動が不安の方はフラット35との併用利用がオススメです。

フラット35の金利は団信加入をしていても0.87%と少し高めの設定になっていますが、35年まで金利は固定されているので変動することがありません。

なので長い目で見ると銀行の住宅ローンよりも金利を抑えられる可能性があります。

住宅ローンから借り換えをしたい場合

住宅ローンの金利が高い場合は、財形住宅融資に借り換えをすることができます。

借り換えの際には「財住金フラット35」を利用しなければなりません。

ですが、この商品は全ての方がお得に利用できるわけではないのです。以下の条件を満たしているか確認してみてください。

  • 住宅ローンの残りの期間が10年以上ある
  • 残りの返済額が1000万円以上ある
  • 現在の住宅ローンとの金利差が1%以上ある

上記の条件を満たしているのであれば検討してみるのがいいでしょう。

財住金フラット35は金利が低いのがメリットになりますが、それだけ借り換えをしてしまうと損をしてしまう可能性があります。

必ず財住金フラット35と現在の住宅ローンで返済シミュレーションを行ってから、借り換えをしましょう。

財形住宅融資の申し込み方法

財形住宅融資の申込み方法は、勤務先が民間企業か公務員かで窓口が違います。以下がそれぞれの窓口になります。

民間企業の場合

  • 勤務先が財形住宅金融株式会社の出資企業の場合:財形住宅金融株式会社
  • 事業主転貸融資制度を勤務先が導入している:勤務先
  • 上記に以外:住宅金融支援機構

公務員の場合

  • 共済組合等で窓口がある:共済組合
  • 共済組合等で窓口がない:住宅金融支援機構

申込み方法によっては条件や内容が違うため、該当する窓口にて直接確認をしておくのがいいでしょう。

また、上記の方法は直接融資と転貸融資とも呼ばれております。

勤務先や所属している企業に財形住宅融資の制度がない場合は、直接融資で自分で申込みをする必要があります。

制度が整っているのであれば、企業を間に挟む転貸融資を受けることができます。会社からお金を借りる形になりますが、こちらの方法の方が金利を低く利用することができます。

もし、会社に制度を取り入れているのであれば、転貸融資の方がお得に利用することができるでしょう。

利用できる人の条件

財形住宅融資を利用するには、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 申込日の年齢が満70歳未満
  • 申込者が所有、居住する住居を建設・購入・リフォームする
  • 一般財形貯蓄・財形年金貯蓄・財形住宅貯蓄のうち、一つでも一年以上継続している
  • 申込み日前2年以内に財形貯蓄を預入している
  • 申込み日前に財形貯蓄残高が50万以上ある
  • 勤務先から住宅についての負担軽減措置や住宅援助を受けられる

また、年収に関して借入の年間合計返済額の割合(総返済負担率)が以下の基準を満たしている必要があります。

年収 400万円未満 400万円以上
基準 30%以下 35%以上
例えば、年収が300万円の場合は基準が30%となっているので「300万円×30%=90万円」となります。これを12ヶ月で割るので、「90万円÷12ヶ月=7万5,000円」以下が毎月の返済額の上限となります。

500万円の場合では35%が適用されるので「500万円×35%=175万円」となり「175万円÷12ヶ月=14万5,833円」以下が上限となります。

上記の条件を全て満たしており、さらに土地と住宅の条件を満たしていれば財形住宅融資を受けることができます。

利用条件に必要な財形貯蓄とは?

財形貯蓄とは福利厚生の一部であり、利用することで税金の優遇を受けられる貯蓄制度のことを言います。

大抵は振り込まれる給与から天引きされる形で行われます。

この制度は三種類あり、一般財形貯蓄・年金財形貯蓄・財形住宅貯蓄に分けられます。

一般財形貯蓄以外でなら、利子が非課税になる優遇を受けることができます。注意してもらいたいのが、この財形貯蓄は自由に変更することができず、定めてある目的外の利用はできないということです。

最初に年金財形貯蓄を利用していたけど財形住宅融資を受けたいという場合は、一度解約をしてから再度財形住宅貯蓄をしなくてはなりません。

この場合、非課税になっていた5年前までの利子を請求されることになるので注意しましょう。

必要な書類

財形住宅融資を受ける際に提出する書類は、以下の通りです。

財形住宅資金借入申込書
負担軽減措置等の証明書
財形貯蓄残高計算依頼書
財形住宅融資の融資金利に関する確認書
82円切手を貼った封筒
住宅金融支援機構 財形住宅融資商品概要説明書

申込み方法によって提出する書類も違うので注意してください。

本人確認のできる書類:申込者と連帯保証人それぞれ必要
(運転免許証・パスポート・マイナンバーカード・住民基本台帳カード・健康保険証)

給与収入のみの方
1住民税課税証明書(前年度+本年度分)
2特別徴収税額の通知書(前年度+本年度分)

上記以外の方
1納税証明書(その1、その2)
2確定申告書
3住民税課税証明書(所得金額か納税金額のどちらか)

融資種別でも提出する書類が違うので確認をしておきましょう。

新築住宅建設
1建設敷地に関する土地の登記事項証明書
2工事請負契約書などの建設費が確認できる書類

新築住宅購入
1募集パンフレットか重要事項説明書
2売買契約書
3検査済証
4土地の登記事項証明書

リ・ユース住宅購入
1建物の登記事項証明書
2適合証明書、リ・ユースマンション適合確認書、適合証明省略に関する申出書のいずれか
3土地の登記事項証明書
4売買契約書

リフォーム
1建物か土地の登記事項証明書
2工事請負契約書などの工事費の確認ができるもの

上記の書類以外にも条件によっては必要になる書類があるので、窓口で確認をしておきましょう。

申し込みができる住宅や土地

利用条件を満たしているのであれば、あとは物件の条件が満たしているのかを確認するだけです。

新築の場合はそこまで難しくはないのですが、中古の物件になると規定が多くなるので確認をしておきましょう。

新築住宅建設

新築住宅建設の条件は、以下の通りです。

住宅

  • 住宅部分の床面積が70㎡以上280㎡以下の住宅
  • 機構の定めている技術基準に適合する住宅(住宅金融支援機構を参照)

土地

  • 申込年度の2年前の年の4月1日以降に取得した土地または取得予定の土地

調べると色々と条件が出てきますが、一般の新築住宅建設であればほとんどの場合は条件を満たしています。

条件があっているのか確認をしたいのであれば、建設会社に確認をするようにしましょう。

新築住宅購入

新築住宅購入の条件は、以下の通りです。

  • 申込日前2年以内に完成または工事中の住宅(未着工のものも含む)
  • 機構の定めている技術基準に適合する住宅(住宅金融支援機構を参照)
  • 1戸当たりの住宅部分の床面積が次の面積である住宅
    共同建て(専有面積):40㎡以上280㎡以下
    1戸建て、連続建て、重ね建て:70㎡以上280㎡以下
  • 申込日前に売主から申込本人または第3者に所有権の登記がされていないもので、申込後に申込本人の所有になる住宅(土地を含む)
  • まだ人が住んだことのない住宅
  • 敷地の権利が所有権または借地権(地上権で登記されているものまたは賃借権)である住宅

リ・ユース住宅購入

リ・ユース住宅購入の条件は、以下の通りです。

  • 1「適合証明書」により財形住宅のリ・ユース(中古)住宅のタイプのいずれかに適合すると証明されている住宅
    2フラット35サイト「中古マンションらくらくフラット35」に掲載されている「適合証明書が省略できる中古マンション」であることが「適合証明省略に関する申出書」により確認された住宅
    3「リ・ユースマンション適合確認書」により要件に適合すると確認された住宅
    (上記のいずれか)
  • 二つ以上の居住室・台所・トイレ・浴室がある住宅で、店舗などと一緒に使っていないこと
  • 建築後2年を超えた住宅(2年以内なら、これまでに人が住んでことのある住宅)
  • 申込日前に売主から申込者に所有権の登記がされていない住宅で、申込後に申込者の所有になるもの
  • 敷地の権利が所有権か借地権(地上権で登記がされているものか賃借権)である住宅
  • 1戸当たりの床面積(専有面積)が40㎡以上280㎡以下の住宅

中古マンションを購入する際には、1983年4月1日以降に新築された物件でならければ、利用することができないので注意してください。

住宅ローンなら財形住宅融資がお得

勤務先か所属している企業が財形貯蓄制度を取り入れているのであれば、財形住宅貯蓄を利用して財形住宅融資を受けられるようにしましょう。

財形住宅融資は銀行の住宅ローンよりも金利が低いので、利息を安く済ませることができます。住宅ローンでは高額の購入になるので金利の0.1%の違いだけでも100万円近い差が生まれます。

なので、なるべく金利は低いものを利用するようにしましょう。他にも銀行の住宅ローンの最初にかかる融資事務手数料や保証料を無料にできるのでさらにお得に利用することができます。

ですが、団信保険料は自己負担になるので、必ず財形住宅融資と銀行の住宅ローンでシミュレーションを行うようにしましょう。

また金利は5年間は固定ですが、その後は変動するのでフラット35などの長期的に金利が固定されるローンの利用も検討しておくといいでしょう。